2019年11月29日(金)、阿波製紙(3896)が後場寄り付き後に急騰し、そのまま20分もせずにストップ高張り付きとなりました。発端は日経新聞の報道。

その報道内容と、阿波製紙が高騰した理由について紹介します。

阿波製紙(3896)の銘柄情報

阿波製紙の基本情報(本日時点)

まずは現在の株価水準や時価総額など基本情報を押さえます。

会社名阿波製紙
銘柄コード3896
株価518円(前日比+80円)
時価総額51億円
PER19.8倍
ROE0.8%
配当7円
株主優待無し

阿波製紙の業績情報

直近の決算内容と、今期計画を振り返ります。

(百万)2Q実績(前年同期比)前年同期通期計画(前年同期比)
売上7,746(△6.1%)8,24715,500(△4.1%)
営業利益52(△76.1%)22050(△81.9%)
経常利益29(△89.9%)28810(△97.2%)
純利益△41(-)129250(587.5%)

阿波製紙の株価が高騰した理由は?

さて、本題の株価が高騰した理由です。起爆剤となったのは、11月29日(金)のお昼に報道されたこちらの記事でした。

デンソーなど、セルロースナノファイバーを車部品に

トヨタ系の部品メーカーであるデンソーと京大が、CNFを使った車を試作して重量1割減に成功したという報道です。リンクと内容の一部を載せます。

リンク:車部品に植物性素材 トヨタ系や京大、燃費1割改善

『デンソーやアイシン精機、トヨタ紡織のほか、自動車部品メーカーのダイキョーニシカワとイノアックコーポレーション(名古屋市)も開発を進めて4、5年後をめどに商用化を目指す。』とのこと。

強度の高い期待の素材、セルロースナノファイバー。それが自動車部品へ、ましてやトヨタの自動車への適用が広がれば需要が大きく伸びることは間違いない。但し、記事の中に阿波製紙の文字はない

主導は環境省のNCV事業

記事にはこうもある。『京大などは16~19年度、トヨタグループや宇部興産など22者と共同で、CNFを車部品に利用する基盤技術を開発してきた。』

その22者は環境省の「NanoCellulose Vehicle(NCV事業)」に参画している企業、団体、大学たちで、以下の通り。

ここにも阿波製紙の名前はない。CNFの開発を行っている会社は、星光PMCなど他にもあります。しかし、他の銘柄の株価は反応こそしているものの、阿波製紙にははるかに劣る。では、なぜ阿波製紙の株価は高騰したんでしょうか。

東京モーターショーでCNF提供

その理由は遡ること1か月、10/24~11/4に行われた東京モーターショーにあります。

阿波製紙は、NCV事業に参画している金沢工業大学と株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメントに、CNFの混抄紙を提供していました。

11/16、阿波製紙のホームページに以下のようなお知らせが載りました。

株価上昇は見込めるか?

株価が上昇した記事は紹介しました。では、気になる今後の株価の動きはどうでしょうか?

報道直後の株価チャート

報道が出た直後の株価の動き、チャートや板情報を残します。その日の5分足や板情報からは、市場に迷いがあるのか、次の日も上昇する力を残しているのか、情報に対する市場の反応として非常に参考になります。日足、月足も、今後の株価を占う重要な情報として載せておきます。

5分足
板情報
日足
月足

私的見解

材料はでかいです。しかし、こういった先進テクノロジーの分野は結果が出るまで時間もかかります。

この報道における相場が一段落した後、次の注目次期いつ頃か想像してみても、何か突発的なトピックスが出ない注目は浴びづらいと予想します。

今回の展示、記事では軽量化による燃費向上が謳われています。ESG投資の盛り上がりや、グレタ氏の演説などのように、世界の環境への関心は高まっているのは明白です。

しかし、環境面から捉えると、電気自動車が普及したらCNFの価値はどうなるんだろう、とも思ってしまいます。当然燃費の向上は電気の使用量にも影響しますが、コスト面との折り合いがつくかどうか。

今はまだ思惑相場、そういった具体的な懸念はどこ吹く風でしょうけどね。

1か月~半年後くらいかけて市場が忘れたころ、次なるステップを目標に仕込むことができるといいなと思っています。

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